エッ! 知らないの私だけ!? 弔いの県民ショー ~中国・四国・九州編~
その他雑学
お葬式やお墓参りなど、故人を見送るスタイルは全国共通だと思っていませんか? 実は、都道府県によって千差万別なんです。あるところでは常識だと思っていたことが、別のところでは非常識だったり、タブーなことだったり…。そこで、いざというときに戸惑わないように、日本全国の一風変わった弔いのしきたりを集めました!
数があり過ぎてとても一回では収まりきらないので、4回に分けて紹介します。1回目は北海道・東北編です。
まずは日本の最北端に位置する都道府県、北海道。
結婚披露宴が会費制だったり、本州に比べて地味婚だったり、道産子=合理的なイメージが強いですが、その道民性は弔いのシーンにも表れていて、その代表的なものが香典への領収書です。他県出身の方が北海道の葬儀に出席すると、突然領収書を渡されてびっくりすると言われています。しかし、地元の方は特にうろたえることもなく領収書を受け取り、故人へ最後のあいさつに向かいます。しかも香典は、受付で金額を確認されるというからさらに驚愕! ちなみに、北海道では葬儀専用の領収書も販売されているそうです。
また香典袋の表面には、氏名だけでなく、住所も記載するのが道産子流。なぜなら受付には記帳簿がなく、故人の親族は香典に記載された名前と住所で参列者を管理しているのだとか。
合理的に物事を進めるのは嫌いじゃないんですが、本州方式に慣れきっている私にとって、北海道スタイルには若干違和感を抱いてしまいますね…。
北海道とは海を隔てた東北地方も、県民性を感じられる風習が盛りだくさん。
例えば秋田県では、御焼香をする際、焼香盆に小銭を供える風習があり、故人があの世に旅立つ準備に使ってほしいという親類縁者の思いを込めているそうです。これと似た風習があるのが岩手県。「三途の川の渡り賃」として六文銭は大河ドラマなどの影響もありよく知られていますが、岩手県では「故人があの世でお金に困らないように」と100万円を棺に入れるそうです。とは言っても、そのお金は紙に100万円と書いたもの。あの世では、現世と貨幣価値がおそらく違うので、実際のお金である必要はありませんからね。
お金の心配ではありませんが、山形県でも故人を敬う習慣があります。今では初七日法要までを葬儀と合わせて行うことは頻繁にありますが、山形県では三十五日(五七日)法要までを行うことがあるそうです。今ではほとんど行うことがなくなった三十五日(五七日)法要ですが、実は四十九日の次に重要とされる日。こういったところからでも、故人に対する気遣いを感じることができます。
今回紹介したのはほんの一部です。他にも各都道府県の県民性あふれる風習は数多く残っているので、調べてみるのもいいかもしれません。
「川西中央霊園」や「墓じまい」など、知りたい単語を検索していただくことで関連ページを一覧表示します。