エッ! 知らないの私だけ!? 弔いの県民ショー ~関東・甲信越編~

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関東・甲信越地方の弔い事情とは!?

前回の北海道・東北編に続き、今回は関東・甲信越編です。
日本の首都・東京を擁し、進学や就職などで全国から多くの人が流入する関東地方や、旧国名の甲斐・信濃・越後にあたる山梨・長野・新潟という3つの県で形成される甲信越地方の弔い事情はいかに!?

県独自の風習も、県を横断する習慣もある北関東。

関東地方に属しながら、東北地方に隣接していることもあり、北関東エリアには今も古くからの風習が数多く残っています。
かつての土葬の名残から前火葬が多くみられる茨城県は、葬儀の後に清め塩ではなく、清めカツオブシが一般的。北関東で唯一海に面しているからかと思いきや、神道の影響を受けているそうです。神道の影響はこれだけにとどまらず、濡らした状態の故人の衣服を北向きに七日間裏庭で干し続ける「七日ざらし」という風習もあります。この風習はお隣の栃木県でも行われています。
栃木県には、大きく長い数珠を親類縁者などが持って念仏を唱える「百万遍」という風習があります。皆で念仏を唱えればありがたさは何倍にもなるという意味合いがあるらしいのですが、近年は減少傾向にあるそうです。故人にとってはうれしい習慣だと思いますので、寂しい限りです。
故人の子ども全員分の位牌を作ることで有名な群馬県では、ある葬儀限定の風習があります。それは「まき銭」という風習で、長寿を全うした故人の出棺時に拾って帰ると長生きできると言われている小銭を振る舞います。これは、茨城県の一部地域でも行われています。

南関東には都心部ならではの葬儀事情が…。

東京・千葉・神奈川・埼玉県が属する南関東では、初七日に葬式と初七日法要を同時に行ったり、火葬と葬儀を別の場所で実施したりする傾向にあります。なぜなら、人口に対して葬儀場の数が不足しており、葬儀場の予約が取れないという都心部ならではの事情があるようです。
しかし、80歳以上の方のお葬式ではお祭りのように明るく故人を偲ぶ神奈川県や、遺骨を家へ迎え入れる際に地域の年配の女性たちが歌を詠む埼玉県、通夜のことを夜伽と呼んで夜を徹して故人とともに過ごす千葉県のように、都心部から少し離れた郊外では、古くからの地域に根差した風習が今も残っています。
他にも、埼玉県では入院中にお見舞いできなかった方が紅白の水引の香典を送る習慣があったり、千葉県では長寿を全うした方の葬儀時に紅白の水引のぽち袋に紅白の紐を通した5円玉を入れた祝い銭を配る風習があったり、弔いの際には不似合いな紅白の水引を使うことも興味深いですが、地域によって使用用途が異なるなんて面白いですね。

県民性を感じさせる弔い文化が残る甲信越。

関東地方と経済的・社会的なつながりが強い甲信越地方ですが、故人を弔うことに関しては、関東にはない独自の風習が数多くあります。
山梨県は日本ではきわめて珍しくなった土葬の風習が残っている他、通夜振舞いではなく初七日に「初七日御膳」を振る舞うといった独自の風習がある反面、出棺時に棺を回したり、友引でも葬儀を実施したり、他の地方でも行われている習わしがあります。
長野県は前火葬と後火葬が混在しているので、地元でない方は確認しておいた方が無難です。加えて、香典のほかに見舞金を渡すしきたりがある地域もありますが、特に親しくなければ不要です。
親鸞とゆかりの深い新潟県は、出棺の際に魚や鳥を逃がす「法生」をはじめ、浄土真宗の影響を感じさせる風習が特徴です。また、お米を通夜見舞いにしたり、葬儀時に握り飯(煮しめ付)を食べる習慣があったり、日本有数の米どころらしい風習もあります。

東日本編はこれにて終了。次回からはいよいよ西日本編がスタートします。

新潟県では、親戚の葬儀の場合、香典の表書きを「御霊前」ではなく、「御灯明料」とするしきたりがあります。
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