日本人は知らない世界の葬儀事情~アジア編~
終活や葬儀について
省エネや節電、最近では何をするにも環境への配慮が重視される時代です。その波がなんと葬儀業界にまで波及しているってご存知でしたか?
現在、世界ではさまざまな「エコ葬儀」が検討され始めているそうです。ということで今回は、海外で動き出している、さまざまな「エコ葬儀」についてご紹介します!
まずご紹介したいのが、「液体火葬」。「火葬」なのに「液体」? まったくイメージが湧かないこの言葉に、違和感を覚える方も少なくないと思います。
「液体火葬」とは、アメリカで考案された新たな葬送方法で、「アルカリ加水分解」によって遺体を溶かしてしまうという方法なのだそうです。具体的にいうと、熱と圧力、そして水酸化カリウムや水酸化ナトリウムといったアルカリ性物質で、通常の腐敗プロセスを高速化。約300リットルの水が入った容器に遺体を収めて約150度に加熱すると、1~2時間ほどで遺体のほとんどは液体化してしまうというのです。通常の火葬と同様に骨は残るので、細かい灰状になった骨を骨壷に収めるのだそう。
この「液体火葬」がなぜ「エコ葬儀」なのかというと、「液体火葬」は一般の火葬と比べて発生する二酸化炭素は火葬の4分の1、さらに必要なエネルギーも8分の1で済むそうです。また、欧米では土葬が主流。遺体を埋葬する際に施される「エンバーミング」という特殊な防腐処理には、大量の有害な化学物質を使わなければならず、環境への悪影響が問題に。そういった背景もあり、エコな弔い方法として「液体火葬」が注目を浴びています。
ちなみにこの「液体火葬」、まだ実用化には至っておらず、「液体火葬」の先進国であるアメリカでも50あるうちの8つの州でしか法的に認められていないそうです。
さらに、今、スウェーデン発の「フリーズドライ葬」なるものが、“究極のエコ葬儀”として注目を集めています。これは遺体を液体窒素で凍結させた後に、振動を加え、細かい灰のようにした後、土中で分解される容器に入れて埋葬するというもの。分解までには多少の時間はかかるものの、墓地内の植物や樹木に養分を与えることにもつながるので、現在では香港や中国、台湾など、60カ国から関心が寄せられています。
他にも、イタリアでは「デンプン」で作った棺桶が発表され話題に。トウモロコシやジャガイモから採れた「デンプン」で大きな植物の種のような形の棺を作り、その中に遺体を入れて埋葬するのだとか。墓標の代わりに植樹をし、「自然に還す」ことを目的としているのだそうです。「死後は木になろう」をテーマに、“木を切って棺桶を作るのではなく、逆に木々を育てよう”という試みなのだそうです。
ここまで紹介してきたのはすべて海外でのお話し。以前、カトトピでも「アジアの葬儀事情」などをご紹介してきましたが、自分の国の常識が他の国ではまったく通用しなくなってしまうというのが葬儀の世界。私たちの知らないうちに、今後さらに変わった葬送方法がどんどん考案・実用化されていくかもしれませんね。その時はまた、第二弾、第三弾といった形でご紹介していきます!
「川西中央霊園」や「墓じまい」など、知りたい単語を検索していただくことで関連ページを一覧表示します。