日本人は知らない世界の葬儀事情~アジア編~
終活や葬儀について
「デザイナーズマンション」や「デザイナーズチェア」など、最近ではすっかりお馴染みとなってきた「デザイナーズ ○○」といった言葉。家や家具など、私たちの生活になくてはならないものだからこそ、品質だけでなく、デザイン性にまでこだわりたいですよね。それでは自分が死んだ後の“住まい”に関してはどうでしょうか? 実は今、デザインにこだわったお墓、「デザイン墓石」が急増しているんです。ピアノ型のお墓、ゴルフバッグ型のお墓、リビングのソファーをかたどったお墓など。皆さんもお墓参りの際に、こんな変わったお墓を見たことはないでしょうか?
全国の墓石業者で構成される全優石(社団法人全国優良石材店の会)の調査によれば、2010年に販売された墓石のうち、「伝統的な和型」は半数を割って
49.5%に。一方、伝統的なタイプとは異なる「デザイン墓石」を選んだ購入者は全体の約12%で、10年前の割合と比べると約2倍になっています。
今、昔から見慣れたお墓の風景が変わりつつあるようです。
それでは一体なぜ「デザイン墓石」は増え続けるのでしょうか? その理由にはまず、コンピューターの導入が挙げられるでしょう。以前なら墓石をひとつデザインするにしても、すべて手書きの図面でデザインを起こさなければいけなかったものが、今ではコンピューターで作成できるようになりました。また、多くの霊園、石材店が図面を起こすところから手伝ってくれる上に、コンピューターで完成型がどうなるかを見ながらの調整も可能。難しいデザインのお墓でもずいぶん気軽に注文ができるようになっています。
さらに近年では核家族化の影響で、「家のお墓」ではない「個人のお墓」を持つという例も増えてきたようです。家族の生活スタイルが変化していくに従って、お墓へのニーズも変化しています。
そんな変化する消費者のニーズに積極的に対応していこうという意欲を持った霊園や石材店も全国的に増えています。それぞれのホームページを覗いても、通常型の他に、西洋型、地面を掘らずカロート(納骨室)が土の上にある丘カロート型、オリジナルデザインなど、多種多様な墓石が紹介されています。一昔前には考えられなかったことですよね。
ちなみに、全優石は毎年、「お墓のデザインコンテスト」を開催。さまざまな趣向を凝らしたお墓が登場しています。車をかたどったものや、ハサミの形をイメージしたものなど、生前の趣味や職業が反映されている、どれも見事なオリジナル墓石です。さらに総合メモリアル情報誌「仏事ガイド」を発行している六月書房からは「デザイン墓石写真集」も発刊。こちらも売れ行きが好調なようで「デザイン墓石写真集Ⅱ」も発売されています。
散骨や納骨堂など、お墓や葬儀の簡素化が進む一方で、こだわりのお墓づくりをする方も増えているようです。故人との思い出や絆、または遺される家族へのメッセージなど、「デザイン墓石」には色々な想いが込められています。皆さんは死後、どのような“住まい”に住みたいですか?
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