お墓の引越し。墓石ごと移転できないって本当?
霊園・お墓について
いったん納めた遺骨を、別のお墓や納骨堂に移し替えることを「改葬」と言います。改葬を行うためには、自治体への届出などさまざまな手続きや費用が必要です。近年、こうした改葬を行う件数が増加していると言われています。その背景にはどのような理由があるのでしょうか。今回は、お墓の引っ越し(改葬)を始める理由について詳しく解説していきます。
「改葬」というのは、いったんお墓や納骨堂へ納めた遺骨を、別のお墓や納骨堂へ移し替えることです。お墓の引っ越し(改葬)を行う場合には、「遺骨と石碑を一緒に移動」、「遺骨だけを移動」、「遺骨の一部を移動(分骨)」、という3つから希望にあった方法を選ぶことになります。改葬は「墓地埋葬等に関する法律」に則り、公的な手続きを踏んで許可を得ることが義務付けられていて、墓石の撤去や納骨に関する費用のほか、お寺の檀家をやめるのであれば「離檀料」とよばれるお布施が必要なこともあります。
このように、改葬には煩雑な手続きと費用が必要になりますが、少子化や核家族化、未婚率の増加といった生活様式の変化や、お墓を相続する承継問題などによって、その需要は年々増加しています。
お墓の引っ越し(改葬)は、必要な手続きや費用面を考慮すると決して簡単に行えるものではありませんが、実際に改葬を希望する件数は年々増加傾向にあります。では、なぜ改葬を検討するのでしょうか。その主な理由を詳しく見ていきましょう。
お墓が遠方にある場合、お墓を維持管理することが難しいだけでなく、お墓参りのたびに交通費などの出費が負担となってしまうため、住んでいる場所の近くに改葬を検討する方も多いようです。
昔の日本では夫婦墓や個人墓が一般的だったため、先祖代々引き継がれてきたお墓が敷地内に複数あるというケースも珍しくありません。そうした場合、維持管理の負担を減らすために、改葬によってお墓をひとつにまとめる方も多いようです。
改葬を決めるきっかけのひとつには、墓地の経営悪化や倒産など、何らかの理由で既存の墓地が移転するか整理されてしまうというケースもあります。
先祖代々の墓が遠方にある場合、せめて両親の遺骨は近くで供養したいという方の場合には、すでに埋葬されている遺骨の一部を取り出し、改葬を行います。
親世代と子世代とで信仰が異なるため、既存のお墓の宗旨・宗派から改宗する場合に改葬を行うケースもあります。
お墓の承継者(相続人)がいない、もしくはお墓を維持できそうにないからといって、改葬を一人で決めてしまうことはおすすめできません。特に郷里に親族や家族が残っている場合には、その意向を無視して勝手に改葬を進めてしまうことで思わぬトラブルに発展してしまうケースもあるからです。まずは親族に相談をして、しっかりと故人を供養できる環境を整えましょう。
いったん供養した遺骨を他のお墓へ移す改葬は、手続きに時間がかかるだけでなく、場合によっては元の寺院や霊園との間でトラブルが起きるケースも少なくありません。上記の内容を参考にして、まずは改葬についての正しい知識をしっかりと身につけておきましょう。
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