お墓を持たない場合の供養法とは? そのメリット・デメリットも解説

仏事・法要についてカテゴリ

「先祖代々続くお墓を大切にする」という文化を長く育んできた私たち日本人。お盆やお彼岸の時期にはお墓参りのために家族が集まることも多く、お墓というのは家族をつなぐ場でもありました。ところが、少子化や核家族化の進む現代では、価値観の多様化などによって「お墓を持たない」という選択をする方もいるようです。

そこで今回は、お墓を持たない場合の供養の方法と、そのメリットやデメリットについて一緒に考えていきましょう。

お墓を持たない場合の供養の方法について

「死んだら先祖代々のお墓に入る」という常識が近年少しずつ変わってきています。少子化や核家族化、未婚率の増加によって、「お墓を持たないこと」が選択肢のひとつになってきています。では、お墓を持たない場合、亡くなった方の供養はどうしたら良いのでしょうか。お墓を持たない場合の代表的な供養方法について、詳しく見ていきましょう。

永代合祀墓(合葬墓)を利用する

お墓を持たない場合、合祀するためのお墓「永代合祀墓(合葬墓)」にご遺骨を納め、永代供養してもらうという方法があります。永代供養というのは、遺族に代わって寺院や霊園に遺骨を管理、供養してもらうことです。遺骨の安置期間は寺院や霊園によっても異なりますが、一般的には十七回忌まで、三十三回忌までというようにあらかじめ期間を決めておき、その後は合祀されて他の遺骨とともに永代供養塔などで供養されます。

また、近年では納骨堂を利用する方もいらっしゃいます。近年増えてきた永代供養墓や樹木層などと同様、個人、夫婦といった比較的小さなユニットで遺骨を収蔵するのに向いていて、あらかじめ決めた期間が過ぎた後は、永代供養墓などに合祀します。

樹木葬や散骨にする

墓石の代わりに樹木を植えてそこに埋葬をする樹木葬や、遺骨を粉にして海や山などに撒く「散骨」なども近年は注目されています。ただ、墓地、埋葬等に関する法律や、自治体の条例によって、樹木葬や散骨ができる場所は限られていることには注意しないといけません。

手元供養にする

手元供養というのは、遺骨を埋葬したり散骨したりせず、自宅において供養することです。他の供養方法に比べて、亡くなった方をより身近に感じることができるという魅力があります。

また、承継者がいないという場合には、使用期間を限定した期限付き墓地にする選択肢もあります。期限付き墓地を使用した場合、期限が過ぎると、上でも紹介した永代供養墓で合祀という形で供養されるのが一般的です。

お墓を持たないことのメリット

お墓を持たないことのメリットとして、お墓の維持や管理の手間を省くことができるということが挙げられます。特に少子化の進む現代では、お墓の継承者がいなかったり、一人っ子の場合には負担が大きくなってしまったりということを心配する方も多く、お墓を持たないという選択をせざるを得ないケースも多いようです。

お墓を持たないことのデメリット

一方、お墓を持たないことにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

心のよりどころがない

遺族のなかには、大切な家族を亡くした悲しみをお墓参りによって少しずつ乗り越えていく方もいます。お墓がなければ、お参りをすることもお供えをすることもできないため、心の整理をどうつけて良いのかわからない場合もあるようです。

親族からよく思われない可能性がある

「亡くなったらお墓に入る」という価値観が定着している日本では、お墓を持たないという選択をすることで親族間のトラブルとなってしまうことも珍しくありません。

合祀や散骨をした後は、遺骨の取り出しができない

散骨については言うまでもありませんが、一度合祀をした遺骨は、後から取り出すことができません。永代供養という選択をした後で、やはりお墓を作りたいと思っても、故人のお骨がないため現実的には難しいということを理解しておく必要があります。

散骨は法的な解釈が難しくトラブルを招く可能性がある

日本では、散骨自体が違法とされているわけではないものの、その方法が明確に規定されているわけでもありません。一方で自治体が規制するケースもありますし、散骨に反対する近隣住民とのトラブルにつながるリスクは少なからずあります。

海洋散骨の場合、手を合わせる対象がなくなってしまう

海洋散骨とは言葉通り遺骨を海に散骨する葬送方法です。海洋散骨の場合、近隣住民とのトラブルを避けることはできますが、遺族にとって手を合わせる対象がなくなってしまうため、お墓参りを重んじる親族間でのトラブルにつながるリスクがあります。

お墓というのは、家族が集まるきっかけを作り、大切な故人に思いを馳せながら家族の絆を深めることができる場所です。家族形態の変化や価値観の多様化など、さまざまな事情でお墓を持たないという選択をされる方もいますが、お墓を持つことにはたくさんのメリットがあることは知っておくべきでしょう。

記事一覧へ

かんたん検索

「川西中央霊園」や「墓じまい」など、知りたい単語を検索していただくことで関連ページを一覧表示します。

人気の記事

2025年(令和7年)春秋のお彼岸、期間はいつからいつまで? シルバーウイークはどうなる?

【令和7年1月14日放送開始、SEASON9もご紹介!】加登SPECIAL「お墓から見たニッポン」大好評放映中。

【動画あり】アニメ動画で観る「墓じまい」「お墓の引越し」

【動画あり】アニメ動画で観る「お墓の健康診断」のススメ。

【墓じまい】で失敗、後悔しないための3つのポイントを大公開!

TOP