お墓のエキスパートによる、『お墓の川柳』作品を大公開!
その他雑学
「お墓」が何から出来ているか、ご存知ない方は少ないのではないでしょうか。
そう、石ですね。
石の中でも「花崗岩(かこうがん)」すなわち「御影石(みかげいし)」というのが墓石の材料として最も多く用いられています。
もちろん例外はあって、東日本でしばしば使用される「小松石(こまついし)」は「安山岩(あんざんがん)」に分類されます。
花崗岩は地中のマグマがゆっくりと時間を掛けて冷え固まった「深成岩(しんせいがん)」の一種で、きわめて緻密で硬いため、古くから日本では墓石の材料として重宝されてきました。
そんな墓石ですから、当然重いということは皆様想像される通りですが、具体的にはどのくらいの重さがあると思いますか?
写真は神戸型と呼ばれる、関西地方では一般的なお墓です。
一番上の棹石(さおいし。軸石、とも)の幅が8寸(約24.2cm)、高さが約63.6cmあります。
そこから全体の大きさと重さを推測してみてください。
ただし、一番下の外柵(巻石、境界石)部分と玉砂利は除きます。
石種は一般的な青みかげ石とします。
それでは、上の写真のような墓石(外柵部分と玉砂利を除く)と同じくらいの重さを持つものを、次の3つの中からお選びください。
正解は、3番の「軽自動車」でした!
ちなみに1番のキリンは1600kgくらいで、2番の力士は163.7kg(平成28年発表)です。
軽自動車は車種にもよりますが軽いもので650~700kg、写真の墓石が(もちろん石種によりますが)およそ650~700kgくらいなので、ほぼ同じ重さということになります。
いかがだったでしょうか?
思った以上に重かったという方が多いのではないでしょうか?
実は、先ほど述べた「棹石」だけでも100kgほどあるんです。
棹石の幅と奥行きが8寸(1寸は約3.03cm)、高さが2尺1寸(1尺=10寸)なので、体積は24.2cm×24.2cm×
63.6cm=37,246立方センチメートルとなります。
各辺の長さが1尺(約30.3cm)の立方体(約27,818立方センチメートル)を尺貫法で「1才(さい)」と言いますが、墓石に使われる一般的な青御影石の1才あたりの重さは80kgくらいです。
前述したように37,246立方センチメートルある8寸角の軸石の体積は、尺貫法に直すと37,246÷27,818=約1.3才です。
前述したように、1才の重さが約80kgですから、軸石の重さは80×1.3=104kgという計算になります。かなり体格の良い成人男性くらいあるわけです。
棹石だけで100kgオーバー。
その他のパーツや外柵までを含めると、1トンを超えることも珍しくありません。
当然、少々のことでは倒れたりせず、さらには1,000年以上とも言われる耐用年数を誇る「お墓」。
まさに最強の建造物と言えるのではないでしょうか。
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