誤解しないで! 【お墓】とはおめでたいものなんです。
お墓ごと「はじめの⼀歩」のその前に
都心のオフィス街で働いていると、ランチタイムのレストランはどこも満員。
テーブル席で食事を摂っていると、店員さんが「すみません、合席よろしいですか?」などとお伺いを立ててくることもありますよね。
これだけ混雑してるんだし、合席もやむを得ないかな、と思いながらふと目を上げると、視線の先に空のテーブルがひとつ。
こんな時、あなたはどう思いますか?
空席が全くないのならいざ知らず、そうでないなら先にそちらを案内してくれたら良いのに、などと思ったりしませんか?
程度の差こそあれ、人間をはじめ動物には「パーソナルスペース」といって、それ以上他人に近付かれるとストレスを感じてしまう距離というのがあります。
見知らぬ人にいきなり手を握られたりしたら、どんな人でも不安や恐怖を覚えますよね。
特にものを食べる際の動物というのはいかにも無防備で、敵からの攻撃を受けやすい状態にあります。そんな中、見知らぬ他人に隣や向かいに腰掛けられるという事態は、出来れば避けたいというのがごく一般的な感覚です。
何故このような話をするかと言いますと、この感覚が、今回のテーマ「墓じまい」にも関連するからなのです。
「墓じまい」とは、文字通りお墓を撤去して片付けることをいいますが、そればかりに気を取られていると、一番大切なご遺骨のことにまで気が回らず、勢いにまかせて「合祀する」という発想に至りがちです。
当然、合祀してしまえば、他のご家族のご遺骨と一緒になってしまいます。先ほどのパーソナルスペースの話ではありませんが、ご先祖様としては決して気持ちの良いものではないでしょう。
何より、合祀されたご遺骨は、どんなことがあっても返してもらうことが出来ません。何十年、何百年と受け継いできたお墓を本当に終わりにして良いのか、ご先祖の霊が帰ってくる場所を永久に失って良いのか、事前にご家族やご親族のあいだでじっくり話し合っておかないと、後々後悔することにもなりかねません。
合祀というのはあくまでセーフティネットであり、「どうしても他に方法がない」という方々を救済するための最終手段として存在すべきだというのが私どもの見解です。
「墓じまい」後のご遺骨は、どこか別の場所に納めてあげたいものです。
一番良いのが、自宅から通える距離に新しくお墓を建てること。それまではなかなかご先祖に会いに行くことが出来なかったのが、いつでもお墓参りが出来るようになるのですから、こんなに素晴らしいことはありません。
ところが、「墓じまい」する方の中には、「跡継ぎがいない」とか「子供に負担を掛けたくない」といった理由でお墓を諦めてしまっている方がいらっしゃいます。
しかし、「墓じまい」後のご遺骨受け入れ先となることの多い東京や大阪などのお墓、納骨堂には、そうした悩みを解消するためのシステムが備わっていることも多いのです。
将来、代が途絶えた場合はご遺骨を永代供養塔に合祀し、永代供養してくれるところや、さらには代が途絶えてもご遺骨は合祀せず、そのまま供養を続けてくれるところさえあるのです。よほどのことがない限り、あえて「合祀」という選択肢を選ぶ必要はないと断言できます。
それでも合祀を選ばざるを得ない場合は、将来お墓や納骨堂で供養してあげたくなったときのために、ご遺骨の一部を手元に残しておくと安心です。最近ではご自宅でご遺骨を安置するための「手元供養品」という選択肢もありますので、そちらを検討されてみるのも良いのではないでしょうか。
最後に3つのポイントをまとめました。
私たち日本人の先祖供養のこころが未来へと続いていくことを、心よりお祈り申し上げます。
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