「新盆(初盆)」には何をするの? 服装やお布施、香典(御提灯料)、香典のお返しは?

仏事・法要についてカテゴリ

「新盆(初盆)」とは故人が亡くなった後、初めて迎えるお盆のことを指します。前回のトピック(該当記事「「新盆(初盆)」の時期・読み方は? 盆棚(精霊棚)などどんな準備が必要?」はこちら)では、主に新盆(初盆)の時期や準備についてご説明しました。
今回は新盆(初盆)の期間中にすることをご紹介します。地域や宗派によって異なることも多いので、あくまで一例としてお考えください。

新盆(初盆)には何をするの?

盆の入り(13日)

一般的に8月13日(東京、神奈川、静岡などでは7月13日)がお盆の初日(盆の入り)です。
この日は「迎え火」を焚いてご先祖の霊を自宅に招き入れます。
自宅にて盆棚(精霊棚)の準備ができたらお墓に参り、綺麗に掃除しておきます。
夕方になると素焼きの小さな土鍋やお皿の上で、おがら(皮をむいた麻の茎)を焚き(迎え火)、白提灯に火を灯します。

14日・15日

遺族が集まってお墓参りをし、自宅には親族や個人と親しかった知人を呼び、僧侶を招いて法要をします。法要の後に会食をすることも多いです。
僧侶がお帰りになる際に、お盆(なければ袱紗=ふくさ)の上にお布施を乗せてお渡ししましょう。
なお、盆棚(精霊棚)のお供えや水は毎日交換するようにしてください。

盆明け(16日)

なるべく遅い時間に送り火を焚き、祖先の霊を見送ります。地域によっては「精霊流し」や「灯籠流し」を行います。

新盆(初盆)の法要、お布施の相場と表書きは?

新盆(初盆)のお布施の相場は?

僧侶を招いて法要を営む場合は、お布施が必要となります。
地域や宗派などによって異なりますが、一般的には3万円から5万円が新盆(初盆)の法要に対するお布施の相場とされており、通常のお盆(相場は1万円程度)より多めに包むことになります。
他の法要と同様、お布施の他に御車代として5千円から1万円程度を、御膳料として5千円から2万円程度を包んで僧侶にお渡しします。
ただし、法要後の会食に僧侶も参加された場合は、御膳料は必要ありません。

新盆(初盆)のお布施の表書きは?

お布施を包む際には無地の白い封筒を用い、表には何も書かずにお渡ししても構いません。
表書きを記す場合は上半分に「御布施」または「御経料」と書き、その下に施主名をフルネームで書きます。「〇〇家」と書いても構いません。
香典のように薄墨は使わず、普通の黒墨を使い、裏面には氏名と住所、包んだ金額を記載します。
新札を包むのが望ましく、お札の表面が上になるように包みましょう。

新盆(初盆)の法要、香典(御提灯代)の相場と表書きは?

新盆(初盆)の香典(御提灯代)の相場は?

新盆(初盆)の法要に招かれた親族や知人は、「御提灯代」あるいは香典を持っていきます。地域や故人との関係などによって金額は変わりますが、相場としては3千円から1万円程度といったところでしょうか。
法要の後に会食をご馳走になる場合は、上記の金額に5千円~1万円程度を上乗せすると良いでしょう。

新盆(初盆)の香典(御提灯代)の表書きは?

不祝儀袋(香典袋)の表書きは「御供物料」が宗派を問わないため無難です。仏式の場合は「御仏前」「御佛前」、神式の場合は「御玉串料」「御神前」と書きます。
水引は双銀・藍銀・黒白が広く使われていますが、関西では黄白か黄銀を用いることが多いようです。結び目は結切りか鮑結びのものを選びます。

新盆(初盆)の法要、お返しは?

新盆(初盆)のお返しの相場は?

新盆(初盆)の法要に参列した親族や知人から香典(御提灯代)やお供え物をいただいた場合のお返しですが、一般的にはいただいた金額の半分から3分の1程度の品物を持ち帰ってもらいます。誰がいくら包んでくれるかを事前に知ることはできないので、およそ2千円から3千円程度の返礼品を事前に用意しておき、1万円を超える金額を包んでくれた方には、後日あらためて追加の品を送ります。
地域によっては法要後の会食がお返しに当たるため、あえて品物を用意する必要はなく、会食をしない場合にのみ、お酒や仕出し弁当などを持ち帰ってもらうというところもあるようです。

新盆(初盆)のお返しの品物には何が良い?

お返しの品物として好ましいのは消耗品(消え物)です。
いつまでも品物が残っていると、故人が亡くなった辛い気持ちを引きずってしまいます。そのため、新盆(初盆)のお返しによく選ばれるのは海苔、そうめん、お茶、洗剤、石鹸、調味料、お菓子などです。
食べ物を選ぶのであれば、なるべく日持ちするものが良いでしょう。
なお、追加でお返しを送る場合や、法要に参列できず香典やお供え物を送ってくれた方にお返しを送る場合は、お盆が明けてから月末までに送るのが望ましいです。

新盆(初盆)の法要、服装は?

新盆(初盆)に限らずお盆というのは、故人やご先祖の霊をお迎えする、言わばお祝いごとのようなものです。
従って、法要の際には喪服よりも平服が選ばれることが多いです。
ただし、地域や宗派などによって異なりますので、念のため喪服も持参しておくと役立つかも知れません。差し支えなければ、施主様に直接聞いてみるのも良いでしょう。

「平服」と言われても、具体的に何を着たらいいの?

「平服」とは略礼装のことであり、普段着とは違います。ですから、さすがにTシャツや短パンなどはマナー違反です。
あくまで参考程度ではありますが、新盆(初盆)の法要の際の服装例を以下に挙げておきます。

◆男性の服装例

  • 無地のスーツ(色はグレーや紺、ネイビーなど)または夏用の喪服
  • 白いワイシャツ(半袖も可)
  • 色や柄が控えめなネクタイ
  • 黒の革靴
  • 黒の靴下

腕時計、金属製の金具が付いた靴やタイピンなどはマナー違反ですので注意が必要です。

◆女性の服装例

  • 無地のワンピース(色は黒やダークグレーなど)
  • 襟元の詰まった、肌の露出の少ないジャケット(色は黒やダークグレーなど)
  • 控えめな色であれば、半袖ブラウスとスカートも可(上下いずれかが黒であることが望ましい)
  • 黒または肌色のストッキング(素足は厳禁)
  • 光沢のない黒のパンプス
  • アクセサリーを付ける場合は、白またはグレーのパールのネックレス、イヤリングまたはピアスなら可

◆子供の服装例

  • 制服が望ましい
  • 制服がない場合は、できるだけ落ち着いた色・柄の服

いかがでしたか?
新盆(初盆)というのは、招く側も招かれる側も不慣れなことが多く、何をどうしたら良いのかさっぱり分からないという方も多いのではないでしょうか。
色々と風習やしきたりがあるのは事実ですが、大切なのは故人を供養するお気持ちです。
できる限りの準備をしても、失敗のひとつやふたつは致し方ないものと割り切り、この世に戻ってきてくれた故人やご先祖との時間を大切に過ごすことが一番だと思います。

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