終活で準備するお墓。生前墓のメリット
終活や葬儀について
葬儀の際、祭壇に飾る故人の写真を「遺影」と言います。遺影は、家族が亡くなった後、直近に撮影された写真の中から選定し、遺影用に加工するのが通例でしたが、最近では終活の一環として、自ら遺影用の写真を撮影しておく人も増えています。生前から遺影の撮影をするのは、少々縁起が悪く感じられるかもしれませんが、残された家族の負担軽減にも繋がるため、ぜひ備えておきたいものです。
亡くなった人の顔写真や肖像画を残す習慣が日本に広まったのは江戸時代。当時、亡くなった歌舞伎役者の姿を後世へ伝えようと描かれた「浮世絵」が、遺影のはじまりと言われています。昔ながらの風習が残る地域では、先祖代々の遺影を仏間に飾っている家も多いでしょう。礼服をまとったご先祖様の引き締まった表情に、少々近づきがたい印象を受けた思い出があるかもしれません。しかしながら、近年では、その人らしい表情が重視されるようになり、それぞれの思いや個性を反映した遺影が主流となっています。そのため、必ずしも写真館で撮影する必要はなく、お気に入りの場所を背景にリラックスした服装で撮影したものや、旅先で撮影した思い出の1コマが遺影に使われることもあります。
遺影は従来、家族が亡くなってから準備するのが一般的でした。遺族は葬儀の準備に追われる中、遺影にふさわしい写真を探し、写真店に背景を合成してもらうなどの作業を葬儀までに済ませなければなりませんでした。そのため相当古い写真が使われたり、合成がちぐはぐな遺影が使用されることもありました。昨今デジタルカメラが普及してからは、写真の加工技術も急速に発展し、一緒に写っている人の顔を消し、顔色を補正するといったことや、背景を好みの色や景色に変更することも容易となりました。もちろん、スマートフォンで撮影した写真も、写真の大きさや画素数を満たしていれば遺影に使用できます。普段の何気ない表情を遺影に選ぶのも良いでしょう。
2012年に、民間調査会社が30歳以上の男女を対象に行った調査によると、既に遺影を準備している、または、生前に遺影を準備すべきと考える人の割合は、全体の半数超。人生最期の日をどう迎えるか考え、今をよりよく生きようとする「終活」に対する意識は、年々高まる傾向にあります。終活の一環として、遺影を自ら撮影する人も増えており、自分好みの表情や構図で撮影した個性豊かな遺影に関心が寄せられています。写真店などでも遺影撮影のプランがあったりと、終活の一環として前向きな気持ちで撮影できる時代の訪れを感じさせます。
遺影は、残された家族の記憶にいつまでも残る大切な写真。昔ながらの厳粛なもの以外にも、自分らしさを重視した遺影も使用されるようになっています。表情や背景を自由に自分の遺影を自分で準備する慣習が一般的になりつつある中、終活の手始めとして、遺影を撮影してみてはいかがでしょうか。故人と過ごした日々が生き生きとよみがえるような遺影は、家族にとって最高の贈り物となるでしょう。
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